人類がこれまで合成したマテリアルは、考え得る化合物のほんの一部である。一説には1060以上の物質があるという。このように、巨大なマテリアル探索空間が我々の目の前に存在し、その中に社会の課題を解決しうる有用なマテリアルが多く眠っている。つまり、宇宙開拓や深海探査のように、マテリアル探索は人類のフロンティアと言え、我々はワクワクしながら探索を進めている。
この巨大な探索空間から、いかに速く、予想外のマテリアルを見つけ、実用化すれば良いのか。それを徹底的に考え抜いた。その結果、物質科学にも、宇宙探査機や深海探査艇のようなツール =「マテリアル探索システム」の活用が必須であるという結論に達した。現在の「人手に頼った研究」では限界がある。機械学習やロボット技術、そして何よりも研究者の勘・コツ・経験を融合したマテリアル探索システムを最大限活用し、研究を進めることが望まれる。
我が国では労働者人口の減少に直面し、高効率な材料開発が望まれている。また、匠が有する暗黙知を次の世代にどう受け継ぐかについても早急に解決しなければならない。マテリアル探索システムに、これまで培ってきた研究者や匠の勘・コツ・経験を埋め込む。それを活用して、私たちはさらに創造性の高い仕事を行う。これこそが、本研究が切り拓く将来である。
本ホームページでは、我々の研究だけではなく、世界の動向をも広く紹介する。
Latest updates
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2024.5.20
「計測分析装置の分析データ共通フォーマット」のJISが本日付で公示され、JISとして成立しました。日本産業標準調査会データベース (JIS規格番号 K0200) にて、JISを閲覧していただくことが可能です。
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2024.4.30
東京化学同人より、一杉太郎 編『マテリアル・機械学習・ロボット(現代化学増刊48)』が発売されます! 進化するマテリアルズ・インフォマティクス (MI) について、基礎や最新動向、具体的な活用事例が紹介されています。
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2024.4.30
第5回デジタルラボラトリー見学会が6月6日に開催されます。是非ご参加ください。
(5/27追記) 満席のため申し込みを締め切りました。 -
2023.11.6
日本学術会議主催の公開シンポジウム「研究の自動化とAIが切り拓く科学と社会」での講演が、YouTubeにてアーカイブされています。
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2023.10.23
ロボットとAIを用いて機能性セラミックスの化学焼結プロセスの条件探索を高速化する技術が、産総研により開発されました。
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2023.9.22
JISの意見受付公告にて、分析データの統合と利活用を推進するための共通データフォーマット(規格番号:JISK0200)の技術情報が開示されています。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けての活用が期待されます。
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2023.8.29
論文"Autonomous exploration of an unexpected electrode material for lithium batteries"がACS Materials Letters にアクセプトされました。
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2023.8.21
公開シンポジウム「研究の自動化とAIが切り拓く科学と社会」が9月1日にハイブリッドで開催されます。是非ご参加ください。
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2023.8.3
デジタルラボ研究会(仮称)が9月から活動開始します!!会員募集中ですので、是非お申し込みください!
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これ以前の更新情報はこちらをご覧ください。