Collaborations of Researchers, AI and Robots

人類がこれまで合成したマテリアルは、考え得る化合物のほんの一部である。一説には1060以上の物質があるという。このように、巨大なマテリアル探索空間が我々の目の前に存在し、その中に社会の課題を解決しうる有用なマテリアルが多く眠っている。つまり、宇宙開拓や深海探査のように、マテリアル探索は人類のフロンティアと言え、我々はワクワクしながら探索を進めている。

この巨大な探索空間から、いかに速く、予想外のマテリアルを見つけ、実用化すれば良いのか。それを徹底的に考え抜いた。その結果、物質科学にも、宇宙探査機や深海探査艇のようなツール =「マテリアル探索システム」の活用が必須であるという結論に達した。現在の「人手に頼った研究」では限界がある。機械学習やロボット技術、そして何よりも研究者の勘・コツ・経験を融合したマテリアル探索システムを最大限活用し、研究を進めることが望まれる。

我が国では労働者人口の減少に直面し、高効率な材料開発が望まれている。また、匠が有する暗黙知を次の世代にどう受け継ぐかについても早急に解決しなければならない。マテリアル探索システムに、これまで培ってきた研究者や匠の勘・コツ・経験を埋め込む。それを活用して、私たちはさらに創造性の高い仕事を行う。これこそが、本研究が切り拓く将来である。

本ホームページでは、我々の研究だけではなく、世界の動向をも広く紹介する。